
南海トラフ巨大地震の被害が予想される四国地方は、台風の通り道で、渇水にも苦しめられてきた。そうした災害の教訓や言い伝えをイラストにしてまとめた「四国防災八十八話マップ」が、幼稚園や小中高校で防災教材として使われている。
「災害を自分事として、避難や防災行動に役立てて欲しい」として始まった取り組みは今、国や専門家の団体から相次いで表彰され、全国の被災地からも注目されている。
たとえ読まれなくても
平時に防災に関する記事はなかなか読まれない。記者をしていると肌感でそのように感じています。マップ作りに携わった徳島大学の上月康則教授も「やらない人はやらない。防災に興味がない人にも、まずは(マップを)手にとってもらうことが大切」と取材に答えてくれました。マップのイラストも活用しながら、災害の伝承を紹介する連載「つなぐ教訓」をお届けします。
- 【連載 つなぐ教訓①】百年のうちに地震が…「あなたたちの時代に来る。そういう気構えで」
マップはB2サイズで、四国4県ごとに1種類ずつある。言い伝えや伝承を各県17~29話ずつ、計88話を素朴で親しみやすいイラストで紹介。各話の場所を案内する「Google Map」のQRコードも載せている。
「NIPPON防災資産」で優良認定
マップの88話のもとになっ…